鹿島建設と二宮金次郎

鹿島建設の本社はもとは東京駅八重洲口にありました。

鹿島に婿養子として社長、会長となった鹿島守之助は会社を大きく発展させましたが、元々法学博士であり日本外交史の研究と執筆に力を入れてました。

本社が赤坂に移転すると元の本社をどうするかということで全館書店の巨大な八重洲ブックセンターを作るごとになり当時副社長の河相全次郎が開業することになりました。

ところが、建設の後ろ楯の鹿島守之助が亡くなってしまった。

守之助さんの奥様、すなわち鹿島創業家の流れをくむ鹿島うめさんが遺産として残された元手で完成しました。

当時バブルで浮かれていた世相を二宮金次郎の報徳精神に戻るべきではなかろうかと河相全次郎が二宮金次郎のブロンズ像を店頭に置き、そばに金箔を置きそれを売りました。

書店に来た人が願掛けとして金箔を貼るので金の二宮金次郎像になってしまった。

ここで集まったお金で河相社長は全国の小学校に「マンガ二宮金次郎」を寄贈してきました。

ところで鹿島うめさんの趣味は絵画です。

お寺と格子天井に花の絵を何枚も描かれたのを思い出します。