最近の日本建築学会賞から

今年の日本建築学会賞作品部門は
・島キッチン
・上勝ゼロ・ウェイストセンター
京都市美術館(京都市京セラ美術館)
でした。

昔はデザイン的に素晴らしい建築作品が選ばれていたという記憶がありますが、最近はちょっと違うと感じます。

デザインが良いからというだけでは難しいかなと感じます。

・島キッチンを写真で見て見ると屋根だけの作品みたいです。
香川県豊島の集落内の空き家を改修した作品で建築材料は島で入手出来る水道管と鉄筋で屋根材は島の伝統的な焼き杉板です。

この屋根材を結束バンドで鉄筋に固定してあるだけでシーズンオフには屋根材も外してしまうらしいですね。

地元のお母さん達が地元の食材で来客を迎えるプラットフォームとして計画されたようです。

・上勝ゼロ・ウェイストセンターは日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」をした徳島県上勝町の?の形をしたプランのゴミステーションでSDGsの未来都市に相応しいデザインです。

住民から集めた廃材建具700枚をパッチワークの様にファサードとして使っています。

京都市美術館青木淳さんも設計に携わりそのまま美術館館長にもなってしまったことで有名です。

元々京都の帝冠様式の公立美術館を80年経過して古いものを保存紙その上に新しい活用を提案したもので、大きく変わったのは1階の入口を地下にあった下足室まで掘り下げそこをエントランスに変えています。

古いものを新しいものに変えるのではなく、
古さの上に新しい物語を積み重ねていくというイタリアとかヨーロッパの建築物の活用法が使われ始めました。

ヘリテージマネジメントの力量が今後問われます。

建築作品を審査することから作品が提案する込められた物語をも評価される時代になったと感じます。

設計士はカッコいいデザインの作品を創るだけでなく作品を通じて社会を動かすとかありようを考えさせる様な建築が求められると2021の学会賞から感じます。

今日は流星群が観られるはずですが生憎曇り空で星が見えません。

明日に期待したいです!