無人島に生きる一六人

新潮文庫須川邦彦著の表記タイトルの小説を読み終えた。

龍睡丸という800トン程の帆船が太平洋のパール・エンド・ハーミユーズ礁の暗礁に捕まり船に積まれた伝馬船で海抜2m程の無人島を発見しそこでの生活が始まる。

無風状態だけども波が強く、帆船なので風が無いのでどんどん流される恐怖から始まります。

毎日の食事は島に生えた草とウミガメと島で取れる魚です。

まずは水が必要ということで井戸掘りから始まる。塩っぽい水と雨水を貯めての集団生活が始まる。

この話は明治36年に起こった実話をもとに小説が作られており、何もないところからどうやってみんなが生き延びたかがとても興味深くて、

寝床で少しづつ読むのが楽しみだった。

最近は若者たちが海外に出なくなってきてますが、死と向き合いながらの人間の耐久力や限界は未来を求めて生きる自分自身の中にあることが読めます。

集団生活の中で一人でも萎縮して、孤独と寂寥感に落ちてしまえばたちどころに食べ物にもありつけず、毎日を精一杯身体を動かしていくことが大事だとわかります。

そして集団のリーダーは全ての者に役割と希望を与える人であり、今の時代にも当てはまるように思います。