住宅の接客空間を考える

今現在お客様が見えた時、お迎えするのは玄関から居間にお通しします。

では、日本の過去ではどうだったかというと、客向け「ハレ」と家族向けの「ケ」の明確な区分がありました。

お客様は玄関から入り、家族は勝手口から出入りし南側の日当たりの良い部屋は客室用に家族は日当たりの悪い北側の部屋で生活していました。

伊勢原にある代官屋敷の山口家住宅では土間の脇に式台という入口がありその右手が宮様をお迎えする部屋がありそこは他の人から目線が合わない様に板塀で囲われでした。

写真は式台という入口

大正、昭和の初め頃までは玄関の近くに客間がありましたが、今時は客間のある家はないです。

現代は個人主義が先行しかっての接客文化は無くなっています。

住宅は家族の憩いと団欒の場となって、お客様を迎えるという意識はなくなっています。

ちなみに我が家も30年前までは応接室を考えて応接セットを置いてましたが、お客様としてきたのはトヨタの車のセールスの人程度でした。

そんなことで接客文化は無くなり、家具の大塚家具さんなんか今は苦戦しています。

接客よりはニトリで手軽な家族向けのリビング用具が売れる時代になりました。

住宅は個人の憩いの場だけでいいのか?
もう一度、社会との接点を考えた接客文化を見直してもいいのではと思います。

社会との接点は教会、文化施設だけでいいのかもう一度考えてもいいと思います。