建築基準法の根本思想の見直し

建築基準法の昭和25年に出来た。
その法律はイギリスの法規をベースに作ったものです。

その思想は産業革命を経て新しいエネルギーを使い、都市の人々を生産拠点に集めて効率的に社会を回転させ、より裕福な生活を夢見ることでした。

その基本的考えは生産の場と労働者の生活の場を切り離して、生産効率を高めることでした。

コルビジェの住宅プランを見てもそんな考えから出来てました。

僕も半世紀前に設計した日水の社宅もそんな思想で設計しました。

公団仕様の当時としては文化的な3DKの住宅です。

ですからまず、地域地区の設定が必要です。工業地域と住宅地域です、その間に生活に必要な商業地域が作られました。

個別の建屋に関しては、衛生、火災、構造の法規が個別法として火災のたび、地震の都度改正強化されてきました。

ところが近年、地球温暖化によるものか想定外の風水害が起こる様になりました。

そしてコロナという疫病の蔓延です。

水害では川崎のマンションが水に浸かりエレベーターが動かなくなり、今まで考えだことがない、電気室の防水対策が必要になりました。

全国で風水害が起こるので、建築法規も見直さなければならなくなりました。

次に疫病対策です。

日本の商業ビルは外気と内部を遮断しているので三密的には問題が多いですね。

クーラーはただ空気を冷たくしてかき混ぜているだけなので換気が出来てないです。

これは、住宅にも言えることで、住宅は高気密をよしとして設計されているので、これも換気の点から見直しが必要です。

オフィスビルでの在宅テレワークが進むと今度は、住宅の根本思想は寝て休んで工場での明日の活力を高めることですので、まさか住宅がミニオフィスになることは想定外でした。

住宅は休養の場という考えを変え仕事もするんだということも考えなければなりませんね。

そうなると、その住宅には訪問者がくる様になります。

西洋からの玄関扉一枚で外部と遮断したプライベート空間も見直さなければなりません。

住宅は完全なるプライベートなものから少し社会とつながる多少社会的存在へと変化してくると思います。

そうなると今度は現在の完全なる個人主義というものも少しずつ変化していきます。

今日は午後から、先日のスケッチの手直しから始めました。

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